白虎隊の悲劇で知られる飯盛山の北側の田園地帯に一際目を惹く見事な桜があります。
この桜は中世会津の領主葦名氏の重臣、石部治部大輔の屋敷にあった遺愛の樹であると言い伝えられていることから、「イシベザクラ」と言われています。
樹高11m、幹が根元から8本に分かれ、幹全体の枝張りは20mに及ぶ巨大なエドヒガンで会津五桜の中で1番早く開花します。
昭和43年、市の天然記念物に指定されました。
現在放映中の大河ドラマ「八重の桜」のオープニングに登場しています。
田んぼの中でのびのびと枝を広げていて堂々たる姿。
老木ながら花は可憐、この桜の見るべきは隆起した根元に広がる迫力の景観。
淡いピンクの花が咲き誇る満開時の姿はまるで桜の森の様です。
会津五桜の中で最も人気の桜で、歴史も古く寛文6年(1666年)に編集された「会津風土記」にも名木として記されています。
年ふれど色香かはらず咲きにほふ 花は老木の名のみなりけり(松平容敬)
会津藩政史上屈指の名君、第8代藩主松平容敬が雨中の桜狩の際、最初に訪ねた石部桜の前で詠んだ歌。
観光客専用の駐車場からは少し歩く事になりますが、近辺にはソメイヨシノも咲いており、穏やかな田舎の風景を眺めながら散策を楽しむことができます。
撮影中、桜の記念切手も近くで販売しておりました。
飯盛山の太夫桜、蚕養神社の峰張桜も比較的近くにあるので足を運んでみてはいかがでしょうか。
撮影日:2008.4.22
石部桜 - DATA |
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【種 類】 | エドヒガン - 樹齢600年 - 市指定天然記念物 - 会津五桜 | |
【住 所】 | 会津若松市一箕町八幡石部 | |
【交 通】 | 電車 | JR東北新幹線郡山駅下車 - 乗り換え - JR磐越西線会津若松駅下車 - バス約10分 |
車 | 磐越自動車道会津若松I.Cから約10分 |
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