東北地方最大級の桜 国指定天然記念物
樹齢は1,200年といわれている、古典桜の筆頭、置賜では最も有名な桜ではないでしょうか。
長井市立伊佐沢小学校のすぐ横にあります。
隣の学校のグラウンドにもたくさんの桜が植えられていて、売店も出ておりお花見客もたくさん。
この巨木にまつわる伝説として、坂上田村麻呂将軍と土地の長者の娘「お玉」との悲恋物語があり、別名「お玉桜」とも呼ばれています。
樹高は16m、巨大な幹周は9m、根元は大きく裂け、空洞になっているようです。
天保・弘化のころは枝が40アールを覆っていたので四反桜と呼ばれ、花時には米沢藩主が来観し、樹下10アール余りの土地は明治維新まで免税地であったといいます。
言い伝えによると、幕末の頃、乞食が桜の根元のほこらで炊事をしたところ、朽ちた部分に火が燃え移ってしまい、大枝2本と他の枝が枯れ落ちて、樹形が一変してしまったとの事。
この事故以来、土地の人々は残った枝に支柱を立て、柵をめぐらして桜の保護を続けたそうです。
近年、地元の有志者が保存会を組織し、約60本の支柱で支えられています。
木の周りは木道で囲まれていて人が歩けるようになっており、360度どこからでも桜を楽しむことができます。
夜にはライトアップも行われています。
夜桜も幻想的で奇麗ですが、この時期の夜は冷えるので上着を持っていく事をお勧めします。
大正後期〜昭和初年頃の久保桜(豆いち 石塚 保宏さまより拝借)
2019年撮影の久保桜。
樹勢の衰えが進み2006年頃から樹勢回復の処置が施されたようですが幹の半分は花が付いていませんでした。
幕末の頃の火の影響で幹の内部が炭化し、不定根が発生しにくくなっていると言う事です。