会津地方でも稀に見る巨木で幹周りは6.2m、樹高17mあります。
裂けて隆起した木肌、多くの瘤が見受けられる幹は見応えがあり、このような桜に出会える機会は多くないでしょう。
この桜は非常に見つけ難い所にあり、地元の方数名に聞いてやっとたどり着けました。
只見町布沢から金山町へ抜ける松坂峠に入ると、道路沿い左手斜面に鳥居と小さな祠があり、そこから杉林の中をひたすら登っていきます。
2014年5月4日のGWに訪れた際は山中には雪が残り、膝まで埋まる深い箇所も。
倒木も多く、足下に気をつけながら山を登っていきます。
しばらく杉林を登っていくと頂上付近に光の入る開けた場所があり、そこに峠の守り神のようなオオヤマザクラの巨木があります。
山中にありながらも、桜は太陽の光を浴びる事ができる場所にありますが、莟は固く、開花はまだ先のようです。
場所を教えてくださった方が10年前に比べて花も少なくなったと言っていました。
桜の根元には小さな祠があります。
昔は道路脇にあった鳥居と祠からこの桜の方へ続く道があったという事ですが、現在はなくなってしまったと言う事です。
祠についての伝承は分かりませんでした。
主幹は途中で欠損していますが、数本の幹が上に向かって伸びています。
豪雪地帯であるこの地域では雪の重みで枝が折れてしまう事も多いのでしょう。
全国的に開花の早かった2016年の5月4日の写真。
花がまだ残っていました。
情報によるとオオヤマザクラとの事ですが、花が白く開花時期も遅いことからカスミザクラの可能性も。
何者にも干渉される事無く何百年もの間、峠を見守り続けた老木。
幾本もの幹や根が複雑に絡まった太い主幹が、この桜のある環境を物語っているようです。