
薄墨桜は伊佐須美神社の御神木と伝えられており、花は八重に一重も交わり、咲き始めは薄墨を含んだ白色から次第に紅色を帯び、終わりには中心部が濃い紅色となります。
また、花の中にも早咲き、遅咲きの物がある珍しい桜です。
普通の桜よりも少し遅れて咲き、毎年4月29日にはこの桜樹の霊をまつる花祝祭が行われ、この花を入れた餅をついて祝います。
以前は桜を見るには予約が必要でしたが、2010年に訪れた時は予約なしで見ることができました。
根元付近から別れた数本の幹が大きく扇状に広がった面白い形をしていて、 大木ではないのですが、均整の穫れた樹形をしています。
案内してくれた神社のおばあちゃんも「日本ではここにしかない珍しい桜」といっておりました。
「香りの薄墨桜」と称されるほどにその香りが見事で、開花すると境内いっぱいが桜の香りに満ち溢れるとのこと。
残念ながらあまり香りを感じる事は出来ませんでしたが、神社のおばあちゃんが「香りのが良いから観光客が枝を折って、持って行っちゃうだよ」 と言っておられました。
「新編会津 風土記」にも香りの素晴らしさが記されており、薄墨桜の傍らには会津藩第9代藩主である松平容保の歌碑があります。
世の人の心や深く染めぬらん うすずみ桜あかね色香に(松平容敬)
2008年10月に本殿(右上の写真は焼失前の本殿と薄墨桜)が焼失してしまい、薄墨桜もその被害を受けました。
私が訪れた際も本殿側の枝には花が咲いてませんでした。
撮影日:2007.5.3・2010.5.3
伊佐須美神社 薄墨桜 - DATA |
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【種 類】 | 薄墨桜(サトザクラ) - 樹齢80年 - 町指定天然記念物 - 会津五桜 | |
【住 所】 | 福島県大沼郡会津美里町宮林甲4377 | |
【交 通】 | 電車 | JR東北新幹線郡山駅下車 - 乗り換え - JR磐越西線会津若松駅下車 - 乗り換え - JR只見線会津高田駅 |
車 | 磐越自動車道新鶴スマートICもしくは会津坂下IC |
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